南極点のピアピア動画を読了しました.

ぼく自身かなりのニコ厨で,この作品がおもしろくないわけはない!のですが,実際に読んでほんとうに面白かったです.

小隅レイという初音ミクがモデルのボーカロイドを中心に話がすすんでいきます.ピアピア動画はもちろんニコニコ動画がモデルで,その他,登場人物も現実の人をモデルにした人が登場します.
小隅レイを使えば万事解決といってもいいくらい,まさしく「レイ様,まじ天使」な話の展開ですが,やっぱり小隅レイだけでは実現せず,ピアピア動画によるユーザの連携,サポートがあってこそだということがわかります.
同時に,そのピアピア動画の文化も知ることができます.

「それが我が社にはどんな利益が」という思いが一同の脳裏をかすめたが誰も異を唱えなかった.面白いからに決まっている.(236ページ)

ピアピア動画で作品を発表するユーザのほとんどは,金銭収入のためにそうしているのではない.人と出会い,自らの作品やスキルを見てもらい,承認されたいから来ているのである.彼らは誰かに見てもらうことが嬉しく,生きがいになっている.(273ページ)

ピアピア動画にかかわるひとたちが徹底的にどうでもいいこと,役に立たないことに執念をもやすひとたちだからだ.お金を儲ける,情報をうまく処理する,正しい答えをみつける,そういう役に立つことはやがてコンピュータのほうが人間よりも上手くできるようになるにちがいない.でも,これからの遠い未来にどれだけ科学が発達していたとしても,役に立たないことを一生懸命にやる世界が残っていればそこには人間の幸せな居場所があるに違いない.(311ページ)

終始CGM・UGCに楽観的で,意味はないかもしれないけど楽しいことをしようという姿勢に,ニヤニヤ・ワクワクしながら読んでいました.
現実の延長線上にあるような世界観で,未来への希望に溢れていて,こうなってほしいなと思える作品でした.

ぜひこちらもどうぞ,
『南極点のピアピア動画』著者解説 – 野尻blog
飛翔体とピアピア超会議 – 続・はてなポイント3万を使い切るまで死なない日記

ほんと,よかったです

25. 2月 2013 · Write a comment · Categories: SF, 書籍

以前から有名なSFだということは知っていて,読みたいとは思ってんだけど,あまりモチベーションが上がらなくて読んでなかった.
そろそろ何かSFを読みたいと思って,どれを読もうか悩んでたんだけど,「SFはこれを読め!」を読んで,これに決めた.

この本に関しては,著者とその他二人の生徒が好きなSF小説について語るという内容で,結構楽しめた.

「アンドロイドは電気羊の夢をみるか?」の大まかなストーリーとしては,
人口の羊しか持っていない主人公が,本物の動物を手に入れるために,懸賞金を狙って8人のアンドロイドを狩るというお話.
この世界では,人間とアンドロイを区別する指標として感情移入能力というところに着目している.
だから,この世界の人たちは,動物を飼う.

p.323
ディックは,感情移入を人間の最も大切な能力と考えているのです.本書の中での共感ボックスの役割も,また,人間とアンドロイとの鑑別に感情移入度検査が使われている理由も,これでなっとくできます.

僕が感じた,ディックが伝えたかったこととしては,確かにアンドロイドは虫も動物も殺すし,感情移入はしない.
でも,そんなアンドロイドも平和に暮らしたいだけだし,人間も機械的な行動をすることがある.
全ての存在は,人間的な部分もあるし,アンドロイド的な部分もある.
でも人間は感情移入することができる.さぁどうする?
みたいなことだと思った.

あと生きるの辛い.